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福田 雅明
日本海洋学会誌, 30(2), p.67 - 76, 1974/02
沿岸海域に放出された放射性元素が渦動拡散により希釈されるが、その推算に水平・鉛直拡散係数を知る必要がある。鉛直拡散は実験がむづかしく、現象として複雑なのであまり研究されていない。原研沖の海域において、理研が約5年間海中懸濁物の観測を行なって来た。このデータと懸濁粒子の大きさ別に計算した粒子の鉛直分布を比較させることにより、鉛直拡散係数と、底賃粒子の粒度分布を推定した。懸濁粒子の濃度と測定器(光束透過率計)の測定値との関係は理論的に計算され、この推定に利用された。さらに、海水中の懸濁粒子の粒度分布も推算した。
福田 雅明
うみ, 10(1), p.29 - 31, 1972/02
海中懸濁物の種類・大きさ・量を測定することは,海洋力学・海底地質学・海洋生物学および海洋化学との関連に関して非常に重要な意義をもつ。しかし,この測定はむずかしく,現在の所,決め手をもたない。特に,現場での測定となると,いくつかの要素の組み合せが同時に測定できなければならず,今のところ,測定法が全く開発されていない。
帰山 秀樹*; 古市 尚基*; 杉松 宏一*; 乙坂 重嘉
no journal, ,
福島第一原子力発電所周辺の海底堆積物や懸濁粒子は、同海域の沿岸域生態系への主要な放射性セシウムの供給源であることが指摘されている。本研究では、主に同海域の海底付近の懸濁粒子の存在状態の把握を目的として、2017年9月及び2018年6月7月に、宮城県から茨城県にかけての沿岸域(概ね水深100200m)において、現場式粒度組成測定装置による懸濁粒子濃度及び粒度組成分布を観測した。2017年9月の観測では、全体として、亜表層(水深40m付近)と海底付近で懸濁粒子濃度の極大が観測された。亜表層では、粒径74-330mの比較的粗粒な懸濁物が支配的であった。この層はクロロフィル蛍光強度のピーク深度とよく一致しており、粗粒懸濁物は植物プランクトン由来であると推測された。海底近傍の高懸濁物層では、粒径3.78-63mの細粒懸濁物が支配的であったが、陸棚縁辺の一部の観測点では、これらに加えて、亜表層で観測されたものと同等のサイズの粗粒懸濁物も観測された。陸棚縁辺の海底付近では、海底堆積物の再懸濁に加えて、表層付近から運ばれた粒子が滞留しやすいことが示唆された。